第17回 いつも自然体"クミコ"からの応援レター「ココロの窓を開けたなら」

新連載いつも自然体

第17回 「いつかきっと」(20114.1)

前回、お休みさせていただきました。申し訳ありません。

3月1 1日に起こった大震災。ちょうどその時、私は石巻にいました。
仙台にはちょくちょく伺っていましたが、石巻は初めて。
前日、地図を見ると、仙台からぐるっと海沿いを回っています。

仙台駅から車で一時間弱。着いたのが石巻市民会館。
昭和42年に建てられ、私の公演を最後に取り壊されるとのこと。
なんだか、光栄だなあと思いました。
昭和42年あたりは、昭和の中でも、右肩上がりの自信と力に満ちていた時代。
歌にとっても、老若男女が同じ歌を口ずさめるという幸せな時代。
そんな時に産声を上げた場所の、最後の出演者になれる。
わくわくします。

ところが、ここで私は一曲も唄うことはできませんでした 。
そろそろリハーサル、舞台上ではサウンドチェックが行われている、そんな2時46分。
突然、頭の上を左から右へ電車が通りました。あれ、電車が。
「地震だ!」

皆さまから、多くのご心配や慰めのお言葉をいただきました。
でも、未だに被災者の方々には、暖かい春がやってきません。
そのことを思うだけで、いたたまれない思いがします。

私にできることはなんだろう。ずっと思いながら、できることは
何でもする、そう決めたのですが、時として、引き戻されるように
暗い気持ちになります。
でも、明けない夜明けはない。
焦らず、目の前のことを一つ一つきちんとやっていくしかないのです。
きちんと生きていくしかないのです。

あらためて、被災された多くの皆さまに、お見舞い申し上げます。
そして、願わくば、届けられなかった歌をいつの日か、心を込めて
お届けできますように。

クミコさんPROFILE

1954年9月26日 茨城県水戸市生まれ。早稲田大学卒後、’78年、「世界歌謡祭」に日本代表の一人として参加。’82年 シャンソンの老舗・銀座「銀巴里」のオーディションに合格し、プロとしての活動をスタートする。’99年 作詞家・松本隆氏に見いだされる。‘02年 アルバム「愛の讃歌」に収録した「わが麗しき恋物語」が、“聴くものすべてが涙する歌”として大きな反響を呼び、シャンソンでは異例の大ヒットとなり一躍脚光を浴びる。’07年 デビュー25周年を迎え、中島みゆき書き下ろしの新曲「十年」を収録したアルバムをリリース。翌年、アルバム「友よ!」を発表し、話題に。‘09年、三木たかし氏の遺作である「届かなかったラヴレター」をリリース。そして、今年2月9、10日には、井上芳雄さん徳光和夫さん上柳昌彦さんと共に、シリーズ35万部突破の実話集「届かなかったラヴレター」を朗読と名曲で綴るハートフルコンサートを実施。また、「届かなかったラヴレター」を含む新作ミニアルバムをリリース。2月24日にはNEWシングル「INORI 〜祈り〜」をリリースし、USEN総合リクエストチャート1位になるなど快進中。

*その他クミコさんの詳しい情報は 「クミコ オフィシャルサイト」まで http://www.puerta-ds.com/kumiko/index.html

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